Women Make Sister Waves 女たちの波を!

女の言葉でherstoryを

2001年、初めてソウル女性映画祭に参加する機会を得た。2分にも満たない短編から2時間を越える長編までの作品は今まで男性中心に作られてきた歴史、文化のhistoryではなく新しい女の言葉でherstoryを作り出そうとする思いにあふれていた。 続いて9月、台北女性映画祭の会場に数人の友達と座っていた。そこにもジェンダー、セクシュアリティーはもちろんのこと、女性の問題を探る映画が上映されていた。しかし決して暗い、深刻なものだけではなく、ユーモアあふれる表現に会場が笑いにつつまれる事がしばしばだった。「こんな映画祭やりたいね」と私達は夢として話し合った。これまでの価値観のひとつが崩れたかと思わせる9・11テロ事件の直後だった。

やりたいことはやる

日本に戻って幾人かの人に夢を話したとき「今は女性の視点とかフェミニズムは敬遠されるよ、第一お金がないよ」と言われ「やっぱり夢ね」と寂しかった。 ずっと女の運動をしてきた女性が言った。「お金がなければ出来ない、と言うのなら今まで女の運動はなかったよ。今やりたいならやるのよ。女はいつもお金なんかないんだから。やることが必要なら土方してでも私はやる!」この一言から私たちの波は始まった。 女性にとって決して楽な金額ではない設立協力金の波が全国から寄せられた。忙しい時間をさいて各々の分野の能力を提供してくれる女たちの波。

アジアの女たちとつながろう

さらにソウル女性映画祭から、台北女性映画祭から、映像を通してアジアの女性たちが繋がっていく場を作って行こう、とシスターフッドのエールの波が届いた。 私たちは単に映像の上映だけを目的としているのではありません。私たち女性が互いに誇りを持って生きるために、映像を通して女たちが出会い、語り合い、歴史を見直し、女の目線からの女の文化を作って行く場にして行きたいのです。

2002年11月29日 山上千恵子